子どもは自然と絵本を好きになるとは限らない
生まれてくる我が子を膝にのせて絵本を読み聞かせる。親であれば誰もが想像する理想的な光景ですね。
現実はというと、多くの親御さんは葛藤していると思います。「うちの子、全然本を読まなくて……」。
実際に誤ったやり方をすると、お子さんがたった5分で本嫌いになることも・・・
我が家もそうなる予定でした。なぜなら、両親ともに本嫌いで、尚且つ子供時代に絵
本を読んでもらった経験がないからです。
遺伝的な要素を考えると子供が読書好きになることは皆無・・・。しかし、私たちは諦めませんでした。子供には自分たちのように教養のない大人になってほしくないと決意して奮闘しました。
その結果、今では子供が絵本の虜になっています。
我が家で実践して効果が出た方法を3つほどご紹介します。本嫌いなダメ親が成功できたのですから、皆さん絶対うまくいくはずです。
絵本や物語を嫌いな子供は一人もいないはず!
【1】子供にとって安心できる場所を作る
まず基礎となることは、子供にとって安心できる場所を作ることです。
これはどの親御さんであっても比較的簡単に見いだせることではないでしょうか。
例えば、父親や母親の膝の上や抱っこされている状態やなど子供が居心地の良いと感じている状況のことです。
子供がリラックスし、満たされている状況で絵本に触れさせたり、少しだけ読んであげると違和感なく、絵本に興味を示すようになります。
私の子供たちの場合、私の膝の上、また、昼寝前、寝る前に気持ちがゆったりしている様子だったので、その時間に自然な形で絵本に触らせたり、絵本を読んであげました。
そうです。安心できる場所にいるときには必ず絵本がセットになっているという状況を作るよう絶えず心掛けました。
「子どもは元々絵本や物語が大好きなはずだ」と育児書に書いてあるのを見かけました。
確かに、本を読んでもらう時の子供の表情は、素直で、無邪気で、かわいいに尽きます。子供が喜べば、親も喜び、親がワクワクすれば子供もワクワク、親がしんみりすれば子も然りです。
私自身、読み聞かせという言葉は「読んで聞かせる」、なんだか「言って聞かせる」という感じがして好きになれませんでした。
そこで我が家では読んで聞かせるというより、一緒に読む。つまり、子供の表情を観察して、その時間を共有するよう心掛けました。
確かに、絵本を一緒に読む習慣になるまで、たとえ習慣を築いても、親が絵本を読んであげることは時に苦行のように思えるときもあります。
親だって、育児、家事、仕事で相当疲れているし、就寝前の自分の貴重な時間を無償で差し出すにはかなりの忍耐力が要ります。(元々本嫌いだったものですから・・・)我が家は毎晩30分から1時間程度読んでいます。
でもこれだけは言えます。頑張って良かった!!
二人の子供たちは、絵本の虜になっています。
【2】年齢に合わせなくてもよい
さて、子供が絵本の虜になるために、子供の年齢に合わせる必要はないこともお伝えしておきます。
要は、赤ちゃんには赤ちゃん絵本が絶対だと決めつけてかからないということです。
確かに、出版社は子供の年齢に合わせた絵本を十分研究して出版しています。ですから、それなり
に子供たちは興味を示したり夢中になることも事実です。しかし、親が決めつけてしまうと意外に落とし穴があるのも事実です。
親が良かれと思って差し出す本は、必ずしも子供の興味を引くわけではない。これを覚えておきましょう。
親が読ませたい本と子供が読みたい本は違う 訳です。
当たり前だと思うかもしれませんが、親のエゴといいますか、「これは子供のためだ」という思い入れが強すぎると、子供にその本を強要してしまう傾向にあるからです。
実際、私が子供と読みたいと思って選んだ本を子供が読む確率はかなり低いです。0~1歳児までは通
用するかもしれませんが、もう少し大きくなると、親が執拗に進める本を子供は嫌いになってしまいます。結構ショックは大きいです。
ではどうすればよいでしょうか。
やはり、子供に選ばせることです。子供には子供の世界があり、それぞれお気に入りの本や、今読んでもらいたい本があるのです。
(補足情報:絵本の中には良質なものとそうでないものもあります。最初は子供に選ばせますが、絵本が好きになれば、良書を子供のために選んであげましょう。)
そして、ここにも忍耐力が必要になってきます。時にお気に入りの本をエンドレスに読み続けなければならないこともあるからです。毎回同じ本を読む、結構しんどいです。
でも、裏を返せば子供はその絵本が大好きになっているということです。親の頑張りどころですね!
うちの子供たちは、2,3歳のころから「ウォーリーを探せ」や生き物図鑑にはまっていました。まだ早すぎると決めつけずに子供が読みたいものを一緒に読むことは大切だと思います。
【3】図書館に行く習慣をつける
最後の点は本に囲まれた環境に行くことです。
本屋さんでもいいのですが、我が家の場合は経済的な理由から、図書館に足繫く通うことを習慣にしました。
図書館の子どもコーナーにはおすすめの本も分かりやすく並べてあったりします。
行けば子供は何かしら本を引っ張り出して読もうとします。
ここでのポイントは、子供に自由に選ばせることです。
タブーなのは、「これはまだ難しいよ」などと言って、否定しないことです。また、借りた本を家で全く読まなくても「あなたがこれがいいって言ったんでしょ!」という気持ちを抑えましょう。
各市町村の図書館ではたいてい10冊までは借りれるので、親が子どもが選んだ本を最大限借りましょう。
私の住む町の図書館は、貸出期間が2週間で、何冊でも大丈夫なので、2週間に一度、必ず通っています。大体10冊から15冊ほど絵本を借りています。1年が52週として2週に一度ですので、52÷2=26 26×10冊=年間260冊以上絵本を読んでいることになります。
図鑑など大きな本は奮発して本屋さんで買ってあげるようにしています。
図書館に通うようになると、子供の絵本の好みを知ることができますので是非お勧めです。
3つを実行したことによる成果
本を読むのはエネルギーや多くの時間が求めれます。でも、その努力が余りあるほど報われる時が来たらどんなにうれしいでしょうか。
私の子供たちは、図書館から本を借りて帰ると一目散に借りた本を読んでとせがんできます。あっという間に借りた本を読みつくしてしまい、気に入った本があると就寝前にも何度も読みます。
読んだ後に、「面白かった?」と感想を聞きません。その変わり、「もう一度読んで」と言われたらしめたものです。
親がいなくても、本棚から自分で絵本を引っ張り出してじっくり眺めている様子を見るのは本当に幸せなことです。まだ文字が読めないのに絵本を自分なりに読んでいるのです。
親の本を手に取って、自分で物語を作って読んでいる姿も微笑ましい光景です。
幼い我が子がいつまで本を好きでいてくれるか判りませんが、今、親として自分にできることにベス
トを尽くしていきたいです。
翻訳者・児童文学作家で有名な石井桃子(故)さんは、「人は言葉によって人になる、言葉を定着させるものとして本がる」という思いで活動されておられたそうです。
今は、子どもと本との間にいろんな邪魔者が割り込んできます。テレビやネット動画、ゲームなど、あの手この手で巧妙な手段で押しかけてきますので、親としてどう退治するか大きな課題です。
ですが、絵本を通して学ぶことはたくさんあると思います。「本は決して押しかけてはこない、こちらが手を出さない限り、本はひたすら読み手を待っているだけです。」絵本作家、中川李枝子(故)さんの言葉が印象的でした。
絵本には大人にも良い感化や影響を与えます。子供なら尚更です。子供は絵本を通して、心を養い
、感情に富み、人として生きていく力を育むことができると考えています。
なんでも3日坊主でダメダメな私にできたのですから、皆さんにもできるはずです。是非試していただければ幸いです。
コメント